「ずっと辛かったよね。ごめんね」
そう言って紗月も泣いた。
私より彼女のほうが辛かったはず。
なのに、どうしてこんなに優しいの。
「私が華夜の立場なら、耐えられないもん」
自分に置き換えて考えてくれる彼女。
そんな彼女の優しさにまた涙する。
「どうして?最低とか思わないの?なんで何も言わないの?」
疑問に思っていることを聞く。
「思わないよ。だって華夜は親友だもん」
理屈はおかしいけど、それでも彼女はこんな私を親友だと言ってくれた。
自分の彼氏を好きになられていい気はしないはず。
きっとこんな彼女だからこそ岡田君は好きになったのだろう。
そう思うと、自分は全然だった。
今からでも遅くない。
諦めなければと本気で思った。