「なんでっ…智葉が?」

「ごめんね。迷惑だったね…」

思ったより冷静な声
でも少し早口で――…。

「違っ」

「いいよ。無理しないで?
帰れって言われたのに待ってて…本当にごめんね」

素直に帰ればよかった。
寂しくても帰ればよかった。

そしたらこんなの見なくてよかったのに。
こんな思いしなかったのに。

「智葉!いい!帰ろう!?」

「えっ嫌「ほら」

強引。
そんなところも好きだったけど
今は……。

「じゃ」

「バイバーイ」
「またな」

想の友達の声…女の子の声。

やだ…。

「あ、ごめっ…智葉?」

「想…無理しないで」

「無理なんかっ」

何かが崩れ始めた。

あたしたちの中の…何かが。

「してないって?」

「ああ」