「そんなこと絶対に乙音に言うんじゃねぇぞ」

「わかってるって」

如月にそんなことがバレたら
 殺 ら れ る!

確実に半殺……いや、よくて半殺しだな。
最悪、殺人事件になるな。

「智葉のことその程度なのね!」

「おわっ!」

「なんちゃって」

ともかよ!
っつか……

「なんでそんなに上手いんだよ」

「いやぁ、ほら俺って男の中じゃ、声高いほうだろ?」

「まぁ」

「しかも乙音の声はいつも聞いてるから」

「あ、そうか(棒読み)」

「ひでぇっ」

「いいな」

「は?」

「幸せな悩みだよな」

羨ましい。大好き人と、一緒に過ごせて、直接声聞けて、小さな喧嘩も……今の俺には、羨ましいかぎりだ。

「そう、だよな」

智葉、早く来いよな。