「……」

俺は、何も言えなかった。

「そっか…なら悪いけど…」

これはきっと…挑戦だ。
まだ俺の知らない未知なる世界への

その挑戦をここで終わらせてたまるものか、と――…。

「彼女が会いに来てくれたとき!」

俺は声を張り上げた。

「俺は彼女にプロポーズを考えています!
彼女がもしいいと言ってくれたときのために…働きたいと、思っています」

徐々に声が小さくなっていった。
俺には自信が…無いんだ…。
智葉と結婚して…そういう未来を考えて
それでもやっぱり俺には無理だと…

きっと智葉もこんな男を夫にはしたくないはずだ。
彼氏ならまだいいけど結婚するとなると…
それが怖いんだ。

「よしっよく言ったな
それでこそ男だ!」

店長はグシャッと俺の頭を撫でた。

何故か…嫌じゃなかった…。