「あ、たしも……」

そんなことを言ってみる。
『想がいるから寂しくないよ』
そう言いたいのに…続けられない。

あたしも、それだけなのにあたしの顔は赤くなる。

「何々?」

うっわニヤニヤしてるし!
絶対わかってる顔だ!!

あたしにあの言えなかった後半部分を言わそうとしてるんだ!

あたしの顔はさっきよりも一段と体温が上昇した。

ひどいっ!

「ふんっ別に…なんでもないもんっ!
ばぁか!!!」

「ちょっ…智葉…反則だっつーの!」

くるりと背を向ける想。

あたし何か変なことした?
それとも何か悪いことでもした?



反則って…。
自惚れるほどバカじゃないし…

でも、背を向けたときにちらりと見えた耳が赤かったのはあたしの気のせいじゃないよね?