「智葉!わかった、わかったから泣くな!」
「グスッ…ごめ…」
「で、朝倉さん?何が違うんですか?」
「バカ」
「ええ!?」
バカバカ…本当にバカ…。
「悪いのは…あたし。
想は何一つとして悪くないんだから…謝らないで」
「…ん。」
「…今朝は…逃げ出しちゃってごめんなさい…。
ちゃんと向き合おうともしないで…
本当に卑怯だった。ごめんなさい」
「え…そんなこと?」
そんなこと…って…
「そんなことじゃないでしょ!?」
「いやぁ、実を言うと俺も逃げたかったからさぁ…」
アハハとのんきに笑うコイツが不覚にも愛しいと感じた。
前言撤回しそうじゃない。
もう一度…って言いそうになるじゃない。
「あたしね…また同じことを繰り返すのが怖くて…」
想は真面目な顔で静かに聞いてくれた。