「お疲れ」

いきなりそう言ってあたしの頭をクシャッと撫でた。
だから髪グシャグシャになるってば。

とか言いつつ実は嬉しかったりする。


「何がよ!」

「…色々…」

「茜ちゃんのこと?」

「それだけじゃねぇよ…」

何々?
そんなに…


あ…。

「お母さんのこと?」

ビクンと想の体が跳ねる。
分かりやすいヤツ。

「そっか…ありがとう」

ハァハァ…これだけ言うのにすっごい今体力消費したぁ!
しかも平然装いながらっつのもおまけ付きですっごい緊張したぁぁぁ!

素直にお礼言うだけでこのざまってどうよ…。

「…寂しくねぇの?」

「バーカ!寂しいに決まってんでしょ!」

ああ、また可愛くない言い方を…。

「でもそれよりもやらなくちゃ行けないことがあるから寂しいって言ってる暇ないんだ。」