「まったく……
ね?酷くない!?」

「ね、ほんと
あ、ねぇ来てくれたのは嬉しいんだけど
チャイム…5分くらい前になんなかった?」

ああ…チャイムね
なったねー確かに…。

「いいよいいよ
どうせ今世界史だし」

あたしは今、保健室でおとにさっきのことを話していた。

「大丈夫、なの?」

「何を言う!
聞いて驚きなさい!あたしは世界史のテスト、つねに90点以上なんだからね!!」

「うん、知ってる」

…恥っ

「…あ、おと体調平気?
あたし戻った方がいい?」

自分の為に戻りなさいよ
なんてケラケラ笑うおとの顔色は優れない。
あの時からずっとだ
あのおとがいきなり走ってどこかへ行ってしまったときからずっと――…。

「でもやっぱ私…体調悪いみたい…
私、早退、しようかなぁ」