「あたしもね…親両方普段いなくてさ
父は単身赴任で母は病院、弟もいるんだけど凄く不良で家なんか滅多に帰らない」

もう慣れたけど…
寂しいのは…嫌。

それは今も昔も変わらない。

「病院って看護師かなんか?」

「ううん、入院。昔からこうでね。
でも今は少しだけど体調いいから帰ってきてるの」

病弱な母と、多忙な父。

たまに家に帰ってきても
片親が欠けてる。

「だから、昔から色々やってるから
お昼…作ってくるよ」

「ありがとう」

好きだから…救いたい。
好きだから…分かち合いたい。

「二人で幸せ見つけよう?
孤独の無い。寂しさの無い。
幸せを見つけよう?」


これは、あたしの精一杯の告白だったのかもしれない。

「じゃあ一緒に孤独から逃げようか」

あたしは最初から
彼の寂しさを、知っていたのかもしれない。