「うん……ごめん」

「そんなの…あたしが言葉足らずなだけで……」

「智葉は言葉足らずなんかじゃないよ」

「え?」

「智葉は、言葉足らずなんかじゃない。」

あたしは恥ずかしくなって誤魔化すように問題を再び解き始めた。

………えっと…このxを…
あ、そうかこれを代入して…

よし、解けた解けた。

「あ」

「ん?」

「あのさ…
あたし今度想と会ってくんね」

「は!?」

「もう…だからぁ
あたしこ「わかったからわかったから!!」

「じゃあ“は!?”なんて言わないでよ」

「うん…まぁ、でも…
いってらっしゃい」

「はーい」

何か、違和感。
そうだあたし、翔ちゃんがきっと何か反応を示してくれるって勝手に……。

自惚れたんだ。

あたしはその邪念を振り払うようにしてまたプリントにかじりついた。

…⑤がまた難しいな…
えーっと…あ、そうだそうだ。