「…ん?」

カーテンに優しく差し込む光。

もう朝だ…。

隣にはまだ眠っている隼ニがいる。


あたしも隼ニも裸でベッドの上。
あたしたち昨日…
重なったんだ……。

隼ニとの初めて…。

ほんとに隼ニは優しくしてくれた。


「…ん、おはよ李亜」
少し寝ぼけた顔をしてる。そんな隼ニにも惹かれる。


「晴れてんな…外」
「うん」
「風邪治ったか?」
あたしのおでこに隼ニのおでこがくっつく。
「もう熱もなさそうだな。今日どっか行くか?」
今日
土曜日だし…
隼ニと一緒にいたいしね。

「また海行きたい」
「海?いいな行くか!」
「一回家帰って服とってくるね」




ただいま…。
心の中だけでそうつぶやき自分の部屋へ行く。

一日帰らないだけで違和感を感じる。
なんかあたしの部屋じゃないみたい。


急いで私服に着替え、家を出て…
「李亜?」

ドキッ!

「お母さん…!」
「昨日ちゃんと学校いったの?ほんとにかなちゃん家に泊まったの?」

そう、お母さんにはかなの家に泊まるって言った。
「うん学校言ってかなの家に泊まったんだよ」
「そう?で、今日はどこに?」
「今日もかなと遊ぶの!」
あたしのことを探るような目で見るお母さん。

「じゃあそこまで送るわね」

え!!
外には隼ニが…!

でもあわてて断っても怪しまれるし…。

「そう?大丈夫だけど」
ドアノブに手をかけるお母さん。
鼓動が速くなる。


ガチャ…



外には誰もいなかった。隼ニも家の周りにいない。
はぁ良かった…。

「じゃあいってらっしゃい。今日は帰ってくるのね?」
「うん。いってきます」


隼ニどこで待ってるんだろう?

「李亜こっち」
「隼ニ!」

隼ニは家から少し離れた駐車場にいた。

「ごめん、飲みもん買ってた」

そっか!びっくりするほどナイスタイミング!
良かったお母さんに見られなくて。
絶対お母さん怒るもん。なんにもわかってないんだから。


きっと隼ニを傷つけちゃうもん。