「あ!!李亜いた!!!」
「かなー!たける!」


かなもたけるもあたしと隼ニさんが手を繋いでいることにびっくりしてる。
あ…
かなもたけるも
隼ニさんに会うの初めてなんだった。



ぐいっ。

たけるに腕を引っ張られ、繋いでいた手が離れる。

たける?
たけるは隼ニさんをにらむ。

「飯田に…飯田になにしたんだよ」
鋭い目をして言うたける。

隼ニさんもはやとさんもびっくりしてる。


「違うよたける」
たけるの前にたつ。

違うんだよ。
隼ニさんは…
「隼ニさんはあの時あたしを助けてくれた人なの」

たけるは少し悲しい顔したけど鋭い目はやめなかった。

重い空気になる…。


振り返り歩き出すたける。

「たける!」

「隼ニさんはやとさんごめんなさい。気にしないでくださいね」
そう言い残しかなと走ってたけるを追いかけた。



「たける…どうしたんだろうね」
家に帰りベッドの上でかなと電話で話す。

「桜井くんは…」
黙るかな。
「ん?かな?」
「…今日のお祭りで桜井くんは李亜に告白しようと思ってたんだよ」

え?
たけるが…?
あたしに告白?
うそ?


「たけるがあたしのこと好きなわけないよ」
だって幼なじみだよ…。
あんなに近くにいた幼なじみだよ…。
好きになるわけないよ。たけるとあたしは友達…。

それ以上になるわけ…
ない……。


「桜井くんはけっこう前から李亜のこと好きだったんだよ。李亜は気づいてなかったかもしれないけど」

そんなの…知らなかった。
まったく気がつかなかった。


「…」
「だから桜井くんは李亜を知らない人に急にとられたって思って悔しかったんだよ…きっと」

あたしをとられて…。

「ずっと一緒にいたからすごく好きになったんじゃないかな?」
「…そっか」


ずっと一緒にいたから…。

たしかにずっと一緒にいるとどんどんひかれていってすごく好きになることある…。
たけるもそうなのか…。