「痛いってばぁ!」


その声にハッとして手を離すも、そこには気まずい空気が流れて…


「私、コンビニに行きたいんだけど。」

「ウソつけよ…」

「なんでウソなのよ。」

「そんなの口実だろ?素直じゃねーな…可愛くねーぞ。」

「別にあんたに可愛いーなんて」

「〜だよ…」

「え?」

「ほっとけないって言ったんだよ!」

「!」

「…おまえが俺をどー思おうと、誰のことが好きだろうと、そんなの…どーでもいい!ただ!…気になるんだ。」

「…なに言って」

「なんでかは分からないけど…」

「…」

「多分、ずっと昔から…おまえのことを…」

「!」

「誰よりも見てて、」

(…は?)

「誰よりも知ってるから。」

「…だから…なに?」

「…おまえには、いつも笑っててほしいんだよ…ガキん頃みたいにさ!じゃないと俺も、」

「…」

「俺も…」

「俺も?」

「…安心できないから。」

「(なにそれ?)…そんなの、私には関係無いでしょ!」


そう言いながらも、佳菜子は、
ほんの少し、何かを期待した自分を誤魔化すよう、
清瀬を置いて公園を出ては、すぐ次の角を曲がってバス通りへと向かって行くのだった。