「キヨスク、次は彼女と来いよ。ここから見る富士は夕焼けをバックでも最高だから。」

「遠いよ。」

「…おまえってさぁ、何て言うか…覇気が感じられねんだよなぁ。どーした?」

「ほっといてくれ。」

「あ、なにそれぇ。誰の為に連れて来てやってると思ってんだ?」

「俺?!」

「ま、9割は佳菜のためだけど」

「遥々、こんな遠くまで…」

「あんただって、さっき、綺麗だって言ってたじゃん!」

「そりゃー…でも、もっと近場でも良かっただろって話だよ。」

「くそっ!こーなったら意地でも感動させてやる!ついて来い!」


そしてまた、クルマは走りだした。


「こんだけ天気イーから、島も見えるよ、きっと!」


玄岳峠からの景色を車内から見渡しながら、

「ここも最高だね〜」

通過して、滝知山駐車場にやってきた。



「おぉ〜!」

「この辺りは熱海市街だな。展望台行こうぜ。」

「マジで?」

「いーから、ホラ、行くよ!」

「…はいはい。」


それほど嫌々ではないが、それ程期待せずに付いて行った清瀬。


「うわ〜〜!!」

「な!ヤバイだろ?」