キッチンに二人で立ち、

「ミルク入れる?」

「うん。」

「どんくらい?」

「あ、自分でやる。ありがと。」


コーヒーにミルクを注ぐ佳菜子を、ニヤケ顔で見つめる片桐。


すると、

そんな視線に気付き

「なに?」

微笑む佳菜子に、

「いや。」

と、コーヒーを持ったままキスをした。


軽く触れた唇は、一度離れるも、すぐにまた重なり…


キッチン台を見ずにコーヒーを置き、いつになく激しく迫る片桐に圧倒され、
佳菜子は、手元にあったミルクピッチャーを倒してしまった。


「ん!」

「ん?」


ミルクは服にもかかってしまい、

「あ…やっちゃった。」

慌てて布巾で、搾り取るように拭く佳菜子。


それを見て片桐が一言。


「洗ったほうが良くね?乾燥機かければすぐだよ。」

「ん…」

「シミになるぞ。服貸すから。」

「でも…」

「おいで。」

「どれも大きそうだね。」

「ちょっとの間、我慢しろっつーの。」


そんなこんなで、片桐の部屋へと侵入することになった。