「え?」

「あ、安全運転!道も逆なんだし気を付けないと…でしょ?」

「確かに。じゃあ、近くまで行ったら電話する。」

「うん。あ!」

「ん?」

「…お帰りなさい。」

「ただいま!」


それから数分後、片桐はやって来た。


家の前で待っていた佳菜子が乗り込むと、
照れくさいのか、そのまますぐにクルマを走らせる片桐。


「久しぶり!」

その顔は真っ黒に日焼けしていて………

「それで就活する気?」

「やっぱ不味いかな?」

「当たり前でしょ!この期時世に…」

とか言いつつも、
グッと凛々しくなった、久しぶりの横顔に見惚れる佳菜子だった。


そして片桐も、

「浮気しなかった?」

「な、なによ!」

「ずっとほっといたから。」

「別に、このくらい…」

「そーなの?」

「でも…寂しかった。」

そんな佳菜子に

「……どーする?」

「え?」

「うち来るか?」

「!」

時計を見ながら

「…もう、誰もいないから。」

こう言ってみせた。


「二人でゆっくりしたい…」