佳菜子が食べ終わったゴミを捨てに、群れから外れた時、


「よく食うのなぁ、おまえ。」

「うそ!これ1個目だよ!」

「マジ?俺これ2個目。間に焼きそばも食っちった。」


後ろからやって来た高木も、パックゴミを捨てた。


そのパックからはみ出したソースが、高木の手についているのを見つけ、

「ん。」

ウェットティッシュを差し出す佳菜子。


「お、さすが。サンキュー。」

そのやりとりの中、

「さっき俺、ちょっとアツ苦しくなかった?」

と、高木は少し恥ずかしそうにたずねた。


「あはは。そうでもないよ。大丈夫。」

「そ?」

「…真面目だよね。」

「全然。」

「だって、Τ高だったんで…」

「過去の栄光です。…今の俺には気を付けな!触ると怪我するぜい。」

「何それ?不良バスケ漫画への憧れですか?」

「バスケのさぁ、超スポ魂漫画ってあったっけ?」

「あー、イメージがねー…バレーやテニスとは違うかも。」

「どこにしたって、表向きと裏じゃ違うよ。」

「…聞いても良い?」

「ん?」

「やっぱり、Τ高のバスケは大変だった?」

「…練習が?」

「って言うか…」