沙知絵もこの頃になると、嫌なことは、 『嫌!やりたくない!』 と私たちにもよく言うようになっていて、自分の主張も強くなっていた。 『あれ持って来い!』 『勉強しろ!』 孝治が命令口調で言っても、1年生の頃の沙知絵のように、 『はーい!』 と素直に言ってもらえないのは、成長だし普通の事ではあった。 『あんたの思い通りになるわけないでしょ!!』 私は何度も言ったが、孝治は聞く耳も持たなかった。