『俺って、そんな老けて見える?』 しばらくの間、そう言い続けていた。 確かに、お兄さんと言う歳ではなかったが、まだ一応、30代。 可哀想と言えば、可哀想だ。 そんな風に少しのことでも笑いながら、毎日を過ごしていた。 -- 2年後。----- 沙知絵は5歳、隆也は2歳になる年。 この頃から、歯車が狂い始めていたことに、私は全く気づきもしなかった。 『ちょっと、これ何なわけ?』 『あー…それね』