ここに来るまでの間、何度、お父さん…そう呼んだかわからない。







『お母さん!お父さんは…?!』




病室に駆け込むと、お母さんは口元にシーっと指を当て、外に私を連れ出した。







『やまかもだって……だから、覚悟はしておいてほしいって。今までだって、先生に何度そう言われたかわからないけど、今回は本当にいつ亡くなってもおかしくない状況みたい…。』







重い病気だということは、皆、ずいぶん前からわかってた。