病室のドアを開けると、痩せた父がベッドの上に横になっていた。 『真佐子!久しぶりだな。元気だったか?沙知絵も!』 『はじめまして。』 孝治が話しかけた瞬間。 父の顔は一瞬でくもった。 『君は?』 『熊川孝治と言います。』 『で?』 『あ…あの…!実は…』 孝治が言いかけたところで、 『沙知絵は、おばあちゃんと遊びましょうねぇ!』 そう言い、母は廊下に沙知絵を連れて行ってくれた。