どうやら彼女はわかりやすい自殺志願者のようであった。 屋上のフェンスの外に、靴下のまま立ち、すぐ側に几帳面に揃えられたローファーが並んでる。 その割に落ちないようにとフェンスをがっしり掴みながら、怯えたような目でこちらを見ていた。 腹が立った。 死ぬんじゃないのか。 死ぬつもりでそこにいるんじゃないのか。 なんだその目は。 「死ぬなら他の場所にしろよ。図書館、使えなくなるだろ」