あれほど夢中で参考書の知識を詰め込んだ僕の頭は、もはや簡単な状況判断すらできなくなっていた。

周りの喧騒も、これからの未来も、全てが遠い。


何も残っていなかった。




僕は空っぽになった頭のまま、条件反射的に家までの道を辿り始め、条件反射的に、通いつめた図書館に向かってしまった。

何をするといいのだ。もうすることなど、何もないというのに。
そう思うと少し笑える。



それでもやはり僕は図書館に入り、いつもの屋上へと向かった。
誰とも会いたくなかったのだ。




図書館の屋上は3階。



人が死ぬのに丁度良い高さだった。