そろそろ、家に近づいてきた。
「あ、あたしん家そこ」
洋風な、レンガ造りっぽい一軒家を指す。
あたし、この家のデザインは結構気に入ってるんだ。
「おー、じゃーな」
ススーと自転車のスピードを落とすと、止まった。
「うん」
あたしは、トンっと自転車から降りた。
「ありがとね」
そして笑顔でお礼を言った。
「お、おう」
なぜかあたしを見てよろよろする4番。
「じゃ、明日、また待ってるな」
4番は、当たり前のことのように、明日も一緒に駐車場まで乗せる約束をナチュラルに取り付けた。
え、いや、ちょっと待ってよ。危うくすのナチュラルさに流されるところだった。
明日も一緒に行くなんてさすがに無理……。
「じゃーなー」
断ろうと4番くんを見ると、もうすでに遠くのほうに行っていた。
「また断れなかった……」
陽気に手を振ってる4番を見ながらつぶやいた。
でも、まぁ大丈夫だったし、なにげに楽しかったし、まぁいいや!
あたしは、ふぅっと息を吐くと、家の中に入った。