「そっかー、じゃあ、毎日大変なんだね?」
「うん」
「じゃー明日も部活だ!」
「うん」
「頑張ってー!」
「うん!」
気づけば、話の主導権はあたしに移っていた。
元々、4番くんではなかったけど。
「てーかさ、4番くんは、毎朝どれくらい走ってんの?」
「……4番くん?」
「そう!4番くん!」
「ははっ4番くんかー」
「えー気に入らない?」
「そーいうわけじゃないけどね」
あたしは、4番くんの顔を覗きこむ。
思えば、ちゃんと顔を見たのは今が初めてだ。
茶髪の髪、長いまつげ、大きな目、潤った唇。
……あれ、4番くんかっこいいじゃん。
普通にかっこいいとかじゃなくて、
すごいかっこいい……。
「……なに?」
「あ、いやいやっ」
思わず見とれてしまった。
こんなにかっこよかったんだ……。
「俺からも質問していい?」
「うん」
「何番なの?」
「あー……」
一番聞かれたくなかったなー。
実は、まだ試合とか出してもらえなくて、番号なし。
「うーんと、番号なし」
「そうなの!?」
「お恥ずかしながら」