部活が終わり、丁度7時ごろ。
朝、あの男子が降ろしてくれた駐車場に向かう。
「………………」
あの男子は、やっぱりいた。
男子は、あたしに気づくと手を振ってきた。
「お!来た来た」
朝と同じ、エナメルを背負って。
男子は、自転車にまたがった。
あたしも続いて、後ろに座る。
すると、自転車は動き出した。
「………………」
「………………」
やっぱり沈黙。
沈黙も嫌い、男も嫌い。
だから、男と同じ空間にいるのが耐え難いのかもしれない。
『女子だと思って接すれば?』
いつまでも、男が無理なんて言ってちゃだめ。
前に進まなきゃ、でしょ?
多少無理でも、これが一番てっとり早いと思うよ。
そう言った、由香を思い出す。
そうだよね、いつまでもこのままじゃだめだよね。
「あ、あのさ!」
あたしは、
雨の季節も終わり、そろそろ太陽の季節の匂う、
雲に見え隠れしている夜空の下、
勇気を出して言ってみた。