キーンコーンカーンコーン


と、一日も早く、学校の終わりを知らせるチャイムが鳴り終わった。


「夏津ー今日も部活頑張ってねー!」

「ありがとー由香ー」


そういって、あたしはエナメルを持ち、部室へ向かった。



ガチャリと部室のドアを開けると、男子の笑い声が聞こえた。

「あはは!お前なにやってんだよ!」

「ちょ、海斗先輩!いじんないでくださいよ!」

「いーじゃん、ばれねーよ」

女バスが使ってるロッカーの近くから声が聞こえる。

「もー!これサプライズにするつもりなんですよ!?」

「いーじゃんまだあいつこねーし」

同じ女バスの森本梨子ちゃんと、男バスの北條海斗先輩がいるみたいだ。

サプライズ……だれかの誕生日が近いのかな……。

男バスの人?それとも女バスの人かな?


女バスが使ってるロッカーまで行くと、やっぱり2人がいた。

「あ!なっちゃん!」

「あ……」

あたしを見ると梨子ちゃんは、女バス専用のホワイトボードに書いてあったことを急いで消した。
海斗先輩はあたしを気まずそうに見た。


「あ、梨子ちゃん……海斗先輩こんにちは」

ペコっと海斗先輩に挨拶すると、海斗先輩は目を見開いた。


「あ、どうしたの!?なっちゃん!いいことでもあった?」

梨子ちゃんはびっくりした様子であたしを見た。


「とくにないけど……」

と、答えると梨子ちゃんと海斗先輩は、頭にはてなマークを浮かべた。


「あ、えーと、じゃあ俺戻るわ!」

なぜか、気まずそうにそういうと、部室を出ていった。