高野に挨拶したあと、トコトコと千秋の場所に戻ると、珍種を見るような目で見られた。
「え、何?」
千秋は、ずいずいっとあたしの顔に自分の顔を近づけると、あたしをにらみつけた。
「もしかして、治ったのかも」
ポツリと由香がつぶやく。
「え!?」
あたしはの声は教室中に響いた。
びっくりして思わず大声が出てしまった。
そして、クラスメイトたちはいっせいにあたしを振り向いた。
あれ、気まずいぞ。
「ちょ、ちょっと夏津!!声でかい!」
「ご、ごめ」
「とりあえず、屋上行くよ!」
あたしは千秋と由香に引きずられるように屋上に言った。