「ちょっと高野と話してきな」


千秋があたしを、同じクラスの高野の席まで押していった。

え、なになに!?
そこに高野いるじゃん!

千秋は高野から1メートル離れたところにあたしを置いた。


「ん?」

「おー!」


千秋と由香はあたしと高野を見て感嘆の声をあげた。


「あ、あのー、黒瀬さ」

「夏津!でかした!」


千秋は高野の言葉を遮ってあたしを元の場所に戻した。

え……、今高野話し遮られてたよね?

あれ、あたしに話しかけたんだよね?


「ねー、高野が今あたしに話しかけ」

「おー!そうかそうか!話してきな!」


ひょっとして、千秋はテンションがすごく上がってるのかもしれない。
千秋って、テンションが高いと人の言葉を遮る癖があったんだよね。


「う、うん」


あたしは、高野の1メートル離れたところに立った。


「高野、あのー何?」

「え!いや、えーと、黒瀬さんおはよう」


いきなりあたしが話しかけたからなのか、驚いた表情であたしを見ていた。

今日のあたしはそんなにおかしいかな?


「うん、おはよう」