「お、おはよー」
「おはよ」
ぎこちなく、挨拶を交わす。
そして今日も、後ろに乗せてもらった。
「そ、そういえばさー、今日も走ってきたの?」
「おう!」
「どこからどこまでー?」
「えーと、あそこの川沿いあたりをずっと」
「わー!すごい!大変だったね!」
「そうでもないよ?犬と一緒に走ったし」
「犬?」
犬なんて飼ってたんだ。
知らなかった……。
「そ、レイクランドテリア」
「なにそれー、何色?」
「えーとね、灰色とベージュ?」
「わかんないやー」
「そっかー……」
……レイクランドテリア?
なんだそれ、聞いたことない。
「……………………」
「……………………」
「もしよかったら、見る?」
微妙な間のあとに、4番くんは言った。
「え、えーと……」
『女子だと思って接すればいいじゃん』
また由香の言葉を思い出す。
もし、4番くんが女子だったら、なんて答えるだろう。
………………。
もし女子だったら、きっとあたしはこう答える。
「うん、見せて!」