「いい、いらない。それにお婆さんの家にこれ届けなくちゃいけないの」


オオカミの前に差し出したのは、ケーキと葡萄酒の入ったカゴ。



「ふーん。…ん?……お婆さんの家?今そう言ったか?言ったよな?」


いきなり慌てふためくオオカミ。



「言ったわよ。何でそんなに慌ててんのよ?」



「いや、何でもねぇよ。婆さん花好きだから、花摘みして行ってやれば?」



「面倒臭い。とてつもなく面倒臭い。だからイヤ」



冷や汗を流すオオカミにきっぱりと言い放った女王様。