「何でって。だって、ヤンキーで女好き愁兄なんだもん。全っ然怖くない」



ちらりともオオカミ愁を見ようともしません。



「亜耶ちゃ〜ん。今チャラいって言った?言っちゃった?」


「うるさい!」



――ドスッ―


鈍い音は亜耶が愁兄を殴った所為。



「亜耶ちゃん、痛い」


愁は目に涙を溜めています。



「だって、殴ったんだもん。痛くないハズがないでしょ?」


にっこりと満面の笑みを見せる桃ずきんは、正しく女王様。



めげないオオカミは


「ねぇ、これから何処行くの?一人じゃ危ないから、俺付いて行っくよ」


女王様に付いて行きます。