「仲良く相合い傘でもしながら帰れよ♪こんな風に~」


健は右手に傘を持ち、左手で夏姫の肩を自分の方へと寄せた。


「もぅ!健ちゃんわぁ~」

夏姫は少し照れながら可愛くほっぺを膨らます。


ラブラブ過ぎてなんか気持ち悪い(笑)


「また自慢ですかぁ~?だいたい、あたしと海斗は……」

反論しようとしたら後ろからバシャバシャと足音が聞こえた。


その音があたしの隣で聞こえなくなる、と同時に



「わりぃー、遅くなって…」


高くもなく低くもない、よく通る声が聞こえた。



「海斗??」


「ごめんな、ちょっと練習してたら…」


この人が、
永谷海斗《ナガタニカイト》


「おい海斗~、また一人で抜け駆けかよ!!」


健がむすっとした表情で海斗に言う。


そう、海斗は健と同じくバスケ部の一年生。


バスケはきっと、部の中で一番上手い。
もちろん健よりも…



それに、何といっても格好いいから人気がある。


海斗は中1の時あたしの隣の家に引っ越してきた。


それから、健とあたしと海斗の3人でずっと一緒にいるんだ―――…