私たちの父親と母親は同じ慶應大学、
同じ医療科でだんだん飲み会などの
回数を重ねているうちに、仲良くなり
3年後に結婚。
私たち双子を産んだ。


私たちを産んだときには
父親は都内の大学病院の名医、
母親は大手企業へ難なく就職。


どちらも稼ぎがあるため
家庭はとても裕福な暮らしだった。


でも父親はほどんど病院に夜勤、
週に一度休み、家に帰宅するのも
私たちが寝てから。
本当に忙しそうであった。
ただでさえ痩せている父親が、
更に痩せたというかやつれた姿を
見て、何度も心が痛くなった。



次第に私は父親に強い憧れを持つように
なった。父親のように、病院で
1位2位を争う名医になりたいと、
そう思うようになった。