「…ね、お母さん大丈夫かな?」




普段あまり母親のことは話さない
ので、少しびっくりしてしまった。



「うん、お父さんも治るって言ってた
し…大丈夫じゃない?」



「…だよね…
あ、そういえばさ、ここ…」

と言って妹は数学の教科書を開き、
ひとつの計算問題を指さした。


「あぁ、ここはね…」

私はその問題の解き方を妹に細かく
説明した。



自慢…ではないが私は
この前の実力考査で学年3位を
取ったほど、勉強が出来る。


妹の和実はその成績を大いに羨ましがり、
私に追いつくため必死に勉強
しているらしい。


「中学のときも今も麻実が成績いいから
って、何でみんな私と比べるんだろう!
ほんと双子って損!」


「でも和実も実力考査10位くらい
だったんでしょ?十分じゃんね」


「いいよねー天才は!
勉強しなくても頭が数式覚えてる
んだもんねー!」


「まあ、父親ゆずりかな
和実はお母さんに似てるじゃん」

「お母さんも頭悪いわけじゃ
ないんだけどねー…」