彼はこんなアタシの姿を見てどう思っているのか。

「あ…あの…」

やっとの思いでアタシが言葉を口にすると彼は言った。


「こんなときに言うのはずるいかもしれないけど…」

木村くんのこれまでにないくらいに真剣な表情。


「ごめん、さっきの…
雨霧と先生…
立ち聞きするつもりはなかったんだ…。
でも俺なら雨霧を泣かせることは絶対にしない…!」


アタシは彼の言葉に思わず後ずさりする。

今、そんなこと…!