それから不安な日々は続き、十一月を迎えた。

 プラネタリウムで話したこと、結麻は覚えているだろうか。もうすぐ獅子座流星群。結麻と一緒に見たい。けれども結麻に電話をかける勇気がなかった。

 外は暗くなり、携帯のメモリーを結麻に合わせては消し、そんな繰り返しをしていると、結麻から着信があった。俺の鼓動は高鳴り、携帯を持つ手が震える。

 電話に出ると、結麻は俺に会いに行くと云う。その時俺は嬉しくて嬉しくて涙が溢れた。

 結麻が来るまで時間がかかることは分かっているけれど、俺は待ちきれず外に飛び出し、今か今かと手を擦りながら待ちわびていた。

 ようやく結麻の姿が見え、お互い走り寄って抱き合った時には、もう離したくない、このまま抱きしめていたいと強く思った。気の利いた言葉は何も云えなかったけれど、俺の愛情が伝わったような気がしたから。

 獅子座流星群は本当に綺麗だった。俺の隣りには結麻がいる。これ以上ないっていうくらい幸せに思えた。寒さより、側にいる結麻の温もりの方が勝っている。

 草の上に寝転び、寄り添って手を繋ぎながら結麻は何を星に願ったんだろう? 訊いても教えてはくれなかった。でもきっと俺と同じことなんじゃないかって思う。

 そう、あの時俺は、この先ずっと結麻と一緒にいられますように、と願っていたんだ。