そんなある日のこと、珍しく美久から電話がかかってきた。
「和哉、久し振り。前に忠告したけれど、結麻とはまだ別れる気はない?」
いきなりそんなことを云われて、俺は頭にきた。
「お前に関係ないだろ。そんな話しなら切るぞ」
電話を切ろうとすると、美久は早口で気になることを云った。
「結麻は最近、中学の時の先輩と会ってるよ」
どういうことだ? 先輩って……もしかしてサッカーチームに誘ってきた男だろうか。それにしても、美久は一体……。
俺が目まぐるしく考えていると、美久は言葉を続けた。
「その先輩って男なんだけど、私と仲が良い先輩の親友なの。私と仲が良い先輩が云うにはね、その人結麻のことずっと好きだったんだって。それに、結麻もまんざらではないみたいだけれど」
俺は、そこで慌てて電話を切ってしまった。これ以上聞きたくなかった。それが本当かどうかは分からない。でも、これ以上聞いたら俺は結麻を疑い、更に嫉妬で狂いそうだったから。
結麻を好きな男はたくさんいるし、隼人だってその一人だ。でも俺には自信がない。こうして会う回数が減っている現状が、不安で仕方なかった。もしかしたら、結麻が俺から離れてしまう日が来るような気がして怖い。怖くて堪らない。そんなふうに怯えていた。
「和哉、久し振り。前に忠告したけれど、結麻とはまだ別れる気はない?」
いきなりそんなことを云われて、俺は頭にきた。
「お前に関係ないだろ。そんな話しなら切るぞ」
電話を切ろうとすると、美久は早口で気になることを云った。
「結麻は最近、中学の時の先輩と会ってるよ」
どういうことだ? 先輩って……もしかしてサッカーチームに誘ってきた男だろうか。それにしても、美久は一体……。
俺が目まぐるしく考えていると、美久は言葉を続けた。
「その先輩って男なんだけど、私と仲が良い先輩の親友なの。私と仲が良い先輩が云うにはね、その人結麻のことずっと好きだったんだって。それに、結麻もまんざらではないみたいだけれど」
俺は、そこで慌てて電話を切ってしまった。これ以上聞きたくなかった。それが本当かどうかは分からない。でも、これ以上聞いたら俺は結麻を疑い、更に嫉妬で狂いそうだったから。
結麻を好きな男はたくさんいるし、隼人だってその一人だ。でも俺には自信がない。こうして会う回数が減っている現状が、不安で仕方なかった。もしかしたら、結麻が俺から離れてしまう日が来るような気がして怖い。怖くて堪らない。そんなふうに怯えていた。