結麻からの電話はいつも嬉しかった。けれども、その時の結麻は遠くに感じられた――。

 どうやらサッカーチームに誘われたらしい。俺はそんなことよりも、結麻が他の男の目に触れることが嫌で嫌で仕方なかった。俺は正直にそんな自分の独占欲を結麻に伝えたのだけれど、理解してもらえるはずもない。

 冷たく響く、いつもとは違う声のトーンを聞き、ガッカリして電話を切った。

 俺の愛情は間違っているのだろうか、結麻を独り占めしたい。れっきとした恋人は俺だけれど、どんどん悪い想像ばかりが膨らみ不安の渦に飲み込まれていく。結麻は俺といることで窮屈なのではないか、このままじゃ、いつか俺から離れていきそうな気がする。けれども俺の結麻に対する愛情は増えていく一方で、愛しくて愛しくて狂いそうになる。どうしたらいいのだろう。このままじゃきっと駄目だ。

 そんなふうに何度も自問自答を繰り返す日々が続き、結麻と会う回数が減っていくほどに眠れない夜を過ごした。