友達に自慢したことを結麻に話すと、結麻は照れたのだろうか、頬を赤くしている。そういう表情の結麻を見て、素直にかわいいなぁと思った。だからきっと俺も頬が赤くなっていたのかもしれない。

 結麻と一緒に過ごす時間はあっという間に過ぎてしまい、帰り際、美久に電話をしようと云うことになったのだけれど、俺は心底憤りを感じることとなる。

 どうやら美久は俺に電話を代わってくれと結麻に云ったらしい。
 俺に何の用があるんだろうか。少なからず、一度振ったことのある美久と話すのは嫌な予感がする。


「もしもし、和哉! ねぇ、結麻と付き合うことになったみたいだけれど、彼氏とは別れていないから二股よ。それでもいいの? 付き合うのやめたら?」


 
 美久はそう早口で捲くし立てる。

 やっぱり……。俺の嫌な予感は当たっていた。

 俺が結麻と付き合うことが、美久にとって気に入らないからそんなことを云うのだろう。そう考えると腹が立ち、幸せな時間をこれ以上邪魔されたくないので、俺は手短に電話を切った。

 俺は結麻を信じているし、二股なんてかけるはずはない。