「……ここに来れば､紅香に会えると思ったんだ」
ふわりと柔らかく笑う唯人。
唯人のその笑顔にあたしの顔が赤くなる。
「……唯人､バカだね(笑)」
照れ隠しでくすっとあたしは笑う。
でも本当に唯人はバカだよ……。
「…なんで？」
唯人はきょとんと本気で不思議がってる。
「だって､あたしの教室に行けばすぐに会えるでしょ？」
あたしがそう言えば。
唯人は。
「本当だ……俺､ばかだな(笑)」
ケラケラ笑い出すんだ。
優しい笑顔で笑う唯人に。
あたしは胸の内から温かいものが込み上げて来る。
あぁ､これがきっと…。
【愛しい】の気持ちなんだ。
