それからかすみは保健室でブラウスを借りて来て。

あたしは保健室で寝ることにした。

今あったことは先生にも言わない。

かすみと約束したんだ…。

『これは二人だけの秘密。誰にも話しちゃだめだよ』って。


誰にも言わない方がいい。

「吉永さん?体調は大丈夫?」

保健の先生に尋ねられる…。

本当は話しかけてほしくないよ。

誰でも。

「………はい」

「大丈夫そうに見えないわよ?顔色が悪いもの」

そう言って、あたしのおでこに手を置いた。

温かい……、人の温度。

「んー、熱はないみたいね?
しばらくは寝てなさい」

「……はい」

そう言って保健室から出て行った。