「紅香!!」

かすみはすぐにあたしを見つけて、優しく
ぎゅっと抱き締めた。

優しいぬくもりが伝わって、温かい。

「紅香!大丈夫!?誰にやられたの?
こんなひどいこと……」

「……っ、た、……っ」

声がうまく出ない。

目の前には…。

あたしのそばには。

かすみがいるのに…。

もう安心してもいいのに…。

怖い…怖い…。

「……た?………もしかして、タク?」

あたしはこくんとうなずいた。


かすみの顔から驚きの表情が見える。

そりゃあ、驚くよね…。

あたしの彼氏だった人だもん。


「タクが……こんなひどいこと…。
…っひどいよ!ひど過ぎるよ!!!」

かすみの目から涙があふれでた。

かすみが、あたしのために泣いてくれてる。

あたしのせいで、涙を流してる。

かすみの涙につられてあたしもあふれてきた。

やっと……、本当に安心した。


「ひっく……ふえぇっ!」

分かってるの…。

あたしが悪いこと。

あたしの身勝手と自己中で。

周りの人を傷つけちゃったんだ。


だから…、これは…。

受けて当然の罰────…。