「あ、小山先生。」


上司である加藤先生(男)が
"こっち"と手招きして俺を呼んだ。


…なんだろう?


加藤先生は俺が唯一尊敬する上司。

生徒全員に慕われ、
ここの塾長でもある。


「今度ね、新しい生徒くるんですよ
その子大阪から越してきて
すぐ入塾するみたいだから
分からないことあったら
小山先生が教えてあげて下さい」

"あと差し入れね"と言葉を付け足して、

ニッコリ笑った。


やっぱ…この笑顔が生徒も
癒されてるんだよなあ…。


エクボを見せて眼鏡の奥の目は優しい。
だけど怒ったら最強に怖くて、

ヤンチャな生徒も加藤先生だけには
心を開くのだ。