それでも懲りない奴は「岡本に聞くぞ!」とまで言い出す始末。
何でそんなに気になんだ、こいつは。
それにしてもマジでしつこい。
いい加減うんざりしてきたあたしは「てか川村くんの話じゃなかった?」とさりげなく話を戻すことに挑戦した。
案の定、単純な西田は「あぁ、そうだった」と見事にのってきた。
「つーか仲良くなりたいって普通に友達ってことだろ?そのくらい別にいーんじゃね?」
馬鹿なくせに妙に説得力がある。
「んー…」
「てか俺、まさかお前に好きな奴いるとか思わなかったから、わかったって言っちゃったんだよね…だから頼むよ」
最後には信じらんない事実を白状して頼み込んできた。
睨むあたしをチラチラ見ながら、「頼む!」と頭を下げ続ける西田はきっとプライドなんてないんだろう。
夏季もこいつの何がよくて付き合ったんだろうか。
「優歩!クレープ!クレープ奢る!」
クレープという単語に過剰に反応したが「でもなー…」と渋るあたしに
「なっ!クレープで手を打とう!なっ優歩!」
半強制的に決められ、ため息をつきながら「…わかった」と答えた。