教室に着いて扉を開けたら、思った以上に力を入れすぎて大きな音をたててしまった。
その音の大きさに「うわっ!びっくりした〜…」と言うクラスメートの言葉を悪いと思いつつ無視して、紗耶のもとまで走った。


「紗耶!」

「え!優歩どーした!そんなに息切らせて…」

「は…走ってきた…」

「…まぁそうだろうね…」


紗耶にそんなの知ってるよ、みたいな顔をされてたが、見て見ぬフリをしといた。


「なんかあたしおかしーんだけど!」

「な…何が?」

「なんか心臓がおかしなことになってんの!」

「えっと…とりあえず落ち着いて」


紗耶に宥められてとりあえず一息着いて落ち着いたあたしは自分の変化について話し始めた。


「あ…あたっあたし…塚本くんと話した…」

「……え?」

あたしの言葉を聞いた瞬間、紗耶は表情が強張り、「…だから何?」と続けた。


「なんか陽輝って呼ぶことになった…。そんであたしのこと優歩って呼ぶって…」

「なんかよくわかんないけど、いきなり急展開だね…」

「わ…笑ったんだよっ!?」

「わっ…びっくり〜…」

紗耶は突然大声を出したあたしに相当びっくりしたらしい。