明日は新人戦のため
今日の練習はハードだった。
あー。
失敗して先輩に怒られたし。
明日大丈夫かな・・・?
失敗しないようにしないと。

『陵帰ろうっ!!』
『はいはーい』

陵が駆け寄ってくる。
この中学のほとんどの生徒は
裏門から登下校する。
私たちもそのひとり。
そして田口も。

『あっ。バスケ部だ』

陵がぼそっと言った。
陵の目線を追うと
田口と井上と一年のバスケ部数人が
塀に腰掛けていた。

一瞬にして赤く染まる頬。

うれしい。


『来週こそケリ付けるからな!!』

田口が笑顔で私に話しかける。
その笑顔にきゅん死に・・・

『さーぁね。
 まぁ私からは言わないからね』
『はいはい。またねー』
『じゃっ』

何でかな・・・。
こんな可愛くないことなら
平常心で話せるのに。
素直になれない。
たった一言。
がんばれ、も言えない。