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「加代!!」



「ぐはあっ?!」




バターンと勢い良く開けられたドアの音に飛び跳ねると同時に凄まじいタックルをお見舞いされた。


「く、首がもげるっ……!」


首にきつく巻かれた腕にパンパンとギブアップの合図をすると、我に還ったらしい腕の主はぱっとほどいてくれた。



「げほっ…はー。死ぬかと思った」



「ご、ごめんねぇ?祥ちゃんから加代が倒れたって聞いて…」



涙目になりながら周りをオタオタと動き回る小さい女の子。
それが可愛くてつい笑ってしまう。




「京香さん。落ち着いて?」


肩を叩いてにかりと笑って見せると、彼女は大人しく頷いてくれた。


「大丈夫だよ。ちゃんとお医者さんにも見てもらったし。」


「…そうなの?でも、ちゃんと寝てなきゃダメ!なんで勉強なんかしてるのっ!」


勉強机にいた私を立たせると、ぽい、とベッドに放り投げる京香さん。


…この小さい体のどこにこんな力が備わっているのか。


布団を被せられながらそんなことを思っていると





「――――京香!…ああ、やっぱり」


額を押さえながら扉に凭れた兄は、ふう、と息をはいてこちらに近付いてきた。