着替えを済ませてリビングのソファーにだらんと座る。
カチッ、カチッとリモコンのボタンを押すものの、どの局も大して面白い番組はしていなかった。
時計を見れば午前十一時。
主婦向けの番組しかない時間帯。そりゃあ高校生が見ても面白い訳ないよな、と自嘲気味に笑って電源を落とした。
しん、と静まり返った室内
冷蔵庫のモーターの音と、時計が秒針を揺らす音がやけに大きめに聞こえる。
自分以外の人の気配がしないこの部屋で、突然に言いようがない孤独感に襲われた。
きゅっ、と膝を抱えて頭を埋める。
まだあたたかい。
大丈夫。
まだ、大丈夫――――…
自分に言い聞かせるように、何度も何度も頭の中で反芻する。
「――…お前は、強いな。」
―――――…え
頭上から降ってきた声に咄嗟に顔を挙げてみるも、誰も居なかった。
きょろり、と見渡してみても、神経を尖らしてみても
人影はなく、気配すらなかった。
…幻聴、だろうか。
半ば呆けていると、サァ―――…という音が耳に入った。ベランダに眼をやると、雨が降っている。
それを見留めると無意識に動き出していた。