―――ティーン


――奥さん! 奥さん!!



呼ばれる声にはっとする。

何ぼぅっとしているんだろう――。


「高速料金2400円お願いしますよ。」


言われるがままに,

財布から紙切れを取り出す。


「毎度!」




白昼夢から逃れるように

恵子は頭を大きく揺さぶった。


高らかに鳴るアクセル音とともに,

恵子は口を開いた。


--